心に浮かぶこと

日々の生活で心に浮かぶことの整理、そして子どもに残したいメッセージ

【読書】『子供の地頭とやる気が育つおもしろい方法』篠原信

著者の篠原信(しのはら ・まこと)さんは 1971年生まれ 。農学博士 (京都大学 ) 。国家公務員I種採用試験を経て国立研究開発法人農業 ・食品産業技術総合研究機構上席研究員 。中学時代に偏差値52からスタ ートし 、四苦八苦の末 、三度目の正直で京都大学に合格 。大学入学と同時に塾を主宰 。不登校児や学習障害児 、非行少年などを積極的に引き受け 、塾生からは 「男塾 」 、外部からは 「不良塾 」と呼ばれ 、悪戦苦闘しながら10年間 、およそ 100人の子どもたちに向き合う 。2000年に大学の教員になって以降 、学生や大学院生を指導しつつボランティアで育児相談や子どもの学習指導 、市民講師などを務め 、現在も継続中 。

子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法

子どもの地頭とやる気が育つおもしろい方法

 

 目次

第1部 好奇心が湧き出る泉をつくる(「不思議」は学ぶ意欲の源泉;学ぶ意欲の基礎になる「自己肯定感」)
第2部 意欲はどう育てる?(ほめる・叱る・そそのかす・楽しむ;やる気を損なう注意点;意欲を引き出すコツ)
第3部 やわらかくしなやかな地頭を育む(具体的な教え方;創造性・グリット・見渡す力)

 

印象に残った内容

人間は 「できない 」を 「できる 」に変えること 、 「知らない 」を 「知る 」に変えること 、つまり 「学ぶ 」ことが大好きです 。しかし他人から 「正解 」を教えられると 、つまらなくなります 。パズルを自分で楽しみたいのに 「そのピ ースはここだよ 」と全部教えられたらつまらないのと同じです 。人間は自分の力で 「できない 」 「知らない 」を 「できる 」 「知る 」に変えたいのです 。

子どもに何かを与えようとするより 、あえて親自らに 「欠如 」を用意し 、それを子どもに埋めてもらうことを意識してみてください 。炊事 ・洗濯 ・掃除 、すべて子どものためと思って 「与える 」ばかりだと 、かえってその面の能力が育ちません 。それよりは 「お風呂にお湯を張るの 、お願いできるかな ?手が回らなくて困ってるの 」と頼み 、それをやってくれたら 「ありがとう !助かっちゃった ! 」と喜んでください 。子どもは頼りにされるのが大好きです 。自分が役に立っている 、という達成感がとても強いから 、積極性が育まれます 。その積極性が 、学習にも生かされます 。

子供はミッション(使命感)が大好きなのです。

 すべてお膳立てしてあげるのではなく、「自分で出来た」というプロセスを楽しめるようにする。私の子供はまだ2歳だけれど、洗濯物を干したり、洗濯物を畳んだり、大人が掃除機をかけている横でコロコロローラーを持ってきてホコリ取りをしたりするのを楽しんでいる。その楽しみを邪魔することなく応援してあげたいと思った。

 

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「 7時になったら 、お母さん (お父さん )と一緒に宿題しようか 」と 、早めに (たとえばこの場合は 6時ごろまでに )提案してみてください 。 「一緒にやろう 」と予告するのがコツです 。時間が来るまでに気持ちを切り替える準備が整います 。

 

ここでのポイントは「予告する」ということと「一緒にやろう」ということ。「予告する」というのは小さな子供にも使える方法で、突然次のことを無理やりやらせるのではなく、「最後にこれを食べたらご馳走様だよ」とか「もう1回やったら帰ろうね」といった感じで使うと、比較的スムーズに次の行動に移ってくれる。「一緒にやろう」というのは命令口調ではなく提案のような形なので、子供も自発的に動いてくれるようになる。

 

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離乳食を始めた娘 。食事に集中してほしいのに 、よそ見をしてちっとも食べてくれません 。むこう向きの娘の口に 、見当をつけてスプ ーンを運びますが 、口が閉まっていて大失敗 。ふと思いついて 、口までスプ ーンを運ぶのをやめました 。娘から 5センチ離れてスプ ーンを空中停止 。娘は食べ物が口まで運ばれてこないことに気がつき 、口を開けました 。しかし私は 5センチ離れたまま 。すると娘のほうからスプ ーンに近づいてパクつきました 。

 

子供に何かを全部教えるというのは、口まで食べ物を運んであげるのと同じで自分では努力をしなくなってしまうのだという。

 

教えるときも同様です 。全部教えるのではなく 、子どもが自分で考え 、答えなければならない部分を残す 、そういう 「教えない 」部分を残すのです 。ヒントは出しますが 、 「ということは ? 」と問いかけます 。すると 、子どもは自分で考え 、答えざるを得ません 。よそ事を考えるヒマはなくなります 。最後に質問が来るので 、途中の話もきちんと聞くようになります 。

これは子供に限らず大人でもそうなのではないかと思う。「時間が無いから全部やってあげよう」と思うのではなく、半分だけ教えてからその後のやり取りを楽しむような心のゆとりを持っていきたいと思った。

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幼少期から学童期まで、広く役立つ子育ての秘訣が書かれている本だと思った。これは必ずしも子育てに限らず、人を育てたり、人に何らかの影響を与えたい人には役立つことなのではないかと思う。