子供の癇癪(かんしゃく)と仏法の教え
オンライン学習サイトのUdemyで、英語学習と育児に関する知識習得の双方の実益を兼ねて、How to quickly stop or prevent tantrums(日本語だと、「(子供の)癇癪(かんしゃく)を止め・防ぐ方法」といったところでしょうか)というコースを受講しました。講師はMadeleine Atchleyという女性で、はっきりと書いてはいないですが、おそらくアメリカ人の方です。
コースで教えられていたことの中で、以下のようなものがありました。
例えば、もしも小さな子供が、「青のスプーンは嫌で、赤のスプーンが良い」と言って癇癪を起こしている時には、
・まずは「青のスプーンではなく、赤のスプーンが欲しかったんだね」と子供の言いたいことを代弁して言葉にして、子供の気持ちを理解してあげる。
・理解してあげた後に、「そんな時は大きな声で泣かなくても、『赤のスプーンが欲しい』って言えばいいんだよ」と解決策も提示してあげる。
という風にすると良いとのことです。
これはちょっとした子供とのやり取りではありますが、仏教の教えに通じるものがあるのではないかと思いました。まずは相手のことをニュートラルに受けとめて、ただ理解する。悲の心(相手の苦への理解)を向ける。そして、相手にとって役に立つことを伝える。
ともすれば、癇癪を起した子供に対して「そんなに大きな声で泣かないでよ」とか、単に「はいはい、わかった」と対応してしまうかもしれません。しかし、子供を理解し悲の心を向け、子供の言いたかった気持ちを代弁してあげるというのは、とても大切なことかもしれません。
ひょっとしたら大人であっても、強い怒りが生じた時は、自分の中で起こっていることを正確に把握して相手に伝えることが出来ないかもしれません。とりわけ配偶者やパートナーとの関係においては、「本当はこうして欲しいのに」といった面から怒りやイライラが生じても、何故自分は怒ってイライラしているのか、そこまで客観的に理解していない時もあるかもしれません。
「自分は相手から本当はこうして欲しかったのに、そうじゃなかったから寂しく思ったんだよね」と自分の気持ちに気づき、まずは自分の気持ちを受けとめてあげるということ。これってまさに仏法の教えじゃないかと思いました。
子供に対しても。そして自分に対しても、理解して受けとめていこうと思いました。育児は仏法を学ぶ最良の場ではないかと思いました。