心に浮かぶこと

日々の生活で心に浮かぶことの整理、そして子どもに残したいメッセージ

幼少期の二元論世界

娘が風邪をひいたので近所の小児科に連れて行きました。待合室のテレビではトムとジェリーのDVDがかかっていました。トムとジェリーは自分が子供の頃は喜んで観ましたが、近年観ることもなかったので、「へえ、懐かしいな」と思いながらしばらく画面を観ていました。トムとジェリーは音声なしでも楽しめるので、テレビの音が邪魔にならないように、小児科の待合室ならではの配慮で、他のアニメではなく、このアニメをかけているのかもしれませんね。

 

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 しばらくして、待合室に居た小学生くらいの男の子がお母さんに「トムはいつもジェリーのことをいじめている悪い猫なんだ。」と言っているのが聞こえてきました。昔の自分であれば、そのまま聞き流した言葉かもしれませんが、その時私はこの言葉が妙に引っかかり、ちょっとした違和感を感じました。

 

そうこうしているうちに、娘が絵本を読みたいと言って、何冊か本を持ってきました。持ってきた本の中の一冊は昆虫図鑑。昆虫の写真とともに、その昆虫の簡単な説明が書かれていました。図鑑の中の説明を読んでみて驚いたのが、説明の中に「害虫」、「益虫」といった区分がはっきりと書かれていたこと。人間が食べる作物を食べてしまう昆虫は「害虫」、そういった害虫を食べる昆虫は「益虫」。確かに自分も小学生の時はそのように習ったけれども、大人になった今、あらためてそういった記述を読んで、ここでも違和感を感じてしまいました。

 

悪役と正義の味方、害虫と益虫、善と悪。二元論というのは、子供も世界にもしっかり張り巡らされたものの見方なんだなと思いました。村人を苦しめる鬼を◯◯太郎が退治する昔話であったり、正義の味方が悪役をやっつけるアニメや戦隊ものあったり、子供の世界には二元論の話が沢山ある。 

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私の娘はまだ小さいけれど、もう少し大きくなって「トムは悪い猫なんだ」と私に言ってきたとしたら、自分は何と答えるだろう?

 

「どうしてそう思うんだい?」
「トムがジェリーのことを追いかけ回している場面を見たんだね。確かにそういう見方もあるかもしれないね。」
「もし自分がトムだったとしたら、どう思う?」
「もしトムが居なかったとしたら、ジェリーはその後どうなっていくだろうね?」

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